赤ちゃんへの影響は大丈夫?

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赤ちゃんへの影響は大丈夫?

治療を受けると気になるのが、麻酔薬や飲み薬、レントゲンの被ばく量。赤ちゃんへの影響は、薬剤の種類や妊娠期により異なります。
一般的な歯科治療でもっとも多く使われている麻酔薬リドカインは、無痛分娩や帝王切開にも使われ、妊娠全週で問題なく使用できる麻酔薬です。通常量を使っても全く問題ないとされています。一方、プロピトカインという麻酔薬には、子宮を収縮させ、分娩を促進させる作用があるため、妊娠後期の妊婦さんには使用しません。
お薬の安全性については、お腹の赤ちゃんに実際に試してみるわけにいかないため、確認されているお薬はありません。歯科では、比較的安全性が高いとされるお薬を、その効果が赤ちゃんへの影響を上回ると判断した場合に限り、最小限の処方をしています。
歯科で処方される抗菌薬のうち、比較的安全性の高いのがペニシリン系や背ファム系の抗菌薬です。ペニシリン系やセファム系の抗菌薬にアレルギーがあるかたには、マクロライド系の抗菌薬が第二選択肢となります。治療上の効果がお腹の赤ちゃんへの影響を上回ると判断される場合に、最小限を処方します。
消炎鎮痛剤において比較的安全に使用できるとされているのがカロナール、アルピニー、ピリナジン(アセトアミノフェン)です。「妊娠中比較的安全に使用できる」とされていますが(「産婦人科診療ガイドライン産科編2014」)、痛みがありどうしても必要なときにだけ、最小限を処方します。
歯科のレントゲン撮影は、歯や歯ぐきや歯を支える骨のなかに隠れていて見えないむし歯や歯周病を把握し、ピンポイントで治療をして最大限の成果を上げるために行う、とても重要な検査です。レントゲン撮影なしの治療は、暗がりを手探りで歩くようなもの。精度の高い治療が困難になってしまいます。
歯科のレントゲン撮影の放射線量は、歯科用デンタルレントゲン撮影1枚につき約0.008mSv。パノラマレントゲン撮影1枚につき約0.01mSvです。
日本に住んでいる人が1年間に浴びる自然放射線量は約2.1mSv。デンタルの放射線量はその1/262、パノラマも1/210にすぎません。私たちは毎年、デンタル262枚分の自然放射線量を浴びているわけですが、そこにデンタル1枚分が加わったとしても、262枚分が263枚分に増える程度です。
「50mSv(=50mGy)未満の放射線量であれば、お腹の赤ちゃんへの影響と被ばく量との間に関連は認められない」(「産婦人科診療ガイドライン産科編2014」)とされており、この基準とくらべても、いかに歯科のレントゲンの放射線量が少ないかがご理解いたただけるのではないかと思います。
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|Posted 2019.2.12|