砂糖とむし歯菌の関係

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砂糖とむし歯菌の関係

砂糖、つまり「スクロース」は、化学的には「グルコース」(ぶどう糖)と「フルクトース」(果糖)という物質が結合してできています。
さてさて、皆さんが砂糖の入ったものを口にした時、スクロースの形で摂りこまれるのですが、その時お口の中にむし歯菌(主にミュータンスレンサ球菌)がいると、「待ってました」とばかりに飛びついてきます。
そして、むし歯菌の持つ酵素の働きでスクロースをグルコースとフルクトースに分解します(そのままでは食べづらいんでしょうね)。
その時むし歯菌は、グルコースとフルクトースを食べるだけでなく、あまったグルコースをつなげていって「グルカン」というネバネバした物質にし、衣服のように身にまといます。彼らはこのネバネバで歯の表面にしっかり付着して、お口の中の唾液に流されないようにするんです。
それでもまだスクロースがあるようなら、さらに分解してグルコースをつなげていき、グルカンを大量につくります。そうなるとまるでわたあめのようにネバネバの層が厚くなっていきます。このネバネバの層はむし歯菌を外敵(唾液や抗菌薬)から守る格好の住居となります。
さて、このネバネバの層の中には、むし歯菌以外の細菌も入り込んできます。かくして、たくさんの細菌が存在するネバネバの層が完成。これがいわゆる「バイオフィルム」ですね。バイオフィルムはスクロースの摂取が続くとどんどん成長して、大きく頑丈になっていきます。
というわけで、むし歯菌にとって、スクロースは栄養たっぷりのごちそうであるとともに、身を守る衣服や、生存に欠かせない住居のもととなるのです。いわば「衣食住」に欠かせないものなんですね。
では、先ほどのスクロース(砂糖)とむし歯菌の関係から、スクロースが代用甘味料に置き換わった場合を見てみましょう。
代用甘味料は、3つの点から、むし歯菌の「衣食住」を邪魔します。
まず、代用甘味料が入った飲食物を摂取すると、むし歯菌がえさだと思ってこれに飛びつきます。ですが、①スクロースと違って、むし歯菌は代用甘味料を栄養にできません。そのため、むし歯の原因となる酸もつくれません。よく言われる「代用甘味料がむし歯菌のえさにならない」というのは、このことですね。
また、②むし歯菌はスクロース以外からはネバネバしたグルカンをつくれません。代用甘味料にはグルカンをつくるのに必要なグルコースが含まれていなかったり、含まれていてもむし歯菌が分解できない形なのです。グルカンがつくれないということは、それが層になってできるバイオフィルムもつくれなくなります。
さて、ここまでが2つ。最後の1つは、「スクロースと一緒に代用甘味料を摂取したとき」に関係します。これまでの説明は、スクロースの入っていない、
甘味料として代用甘味料のみを用いた飲食物を摂取した時の話でした。
スクロースと代用甘味料が同時にお口の中に存在するとき、むし歯菌はスクロースをグルコースとフルクトースに分解します。そして、グルコースをつなぎ合わせて、グルカンをつくろうとするのですが、このときある種の代用甘味料があると、③グルコースがつながらなくなり、グルカンが上手くつくれなくなります。
とはいえ、この3つの作用は、全ての代用甘味料が等しく持っているわけではありません。代用甘味料によっては、①だけ、あるいは①と②だけしか持たないものもあります。
代用甘味料とむし歯の関係をあらためて見直した今回のお話、いかがでしたか。代用甘味料によっては、「むし歯菌のえさにならない」以上の作用をもっているのがおわかりになったかと思います。
とはいえ、「じゃあ代用甘味料が使われている飲食物なら、むし歯の心配はないんだ」とはお考えにならないでください。効果が認められている作用は、非常に高純度の代用甘味料を使った実験の結果であることがあります。また、実際の飲食物には製造過程で使われた他の糖類が含まれていたり、甘味度や味の問題から他の糖類と混ぜて使われていたりして、それらが虫歯の原因になることもありえます。
結局、スクロース(砂糖)を摂取する量や回数を控えることが、基本的なことながら、1番むし歯予防に効果があります。代用甘味料のむし歯への影響は、あくまで限定的と考えるのが賢明でしょう。
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|Posted 2018.10.23|