何でも食べられるお口は将来も維持できそう?
からだによい食事をしようと、評判のよい食材をいろいろと試しておられるかた、増えていますよね。
実際、食と栄養に関する情報は、テレビでもネットでも溢れんばかりです。「〇〇を食べるといい」と話題になると、売り切れる店が続出するほど、こうした情報にみなさんとても敏感です。
一方、からだによい食べ物を摂るために不可欠な「歯の健康」や「歯科治療」についての関心は?だいぶ温度差があるなと感じているのは、私だけではないでしょう。
そこでまず、栄養摂取に欠かせないお口の健康について関心をもっていただくため、お口の衰えがいったいいつ頃からはじまるのかをご覧いただきたいと思います。
上のグラフは、歯科医院との付き合いかたごとに、歯の喪失状況を調べたものです。50歳前後にお口の健康の曲がり角があり、年齢を重ねるにつれてその状況がそのまま拡大していることがわかります。
定期的に歯科医院のメインテナンスに来院し予防指導や予防処置を受けているかたは、高齢になっても数本の喪失ですみますが、痛い時だけ来院する患者さん(歯みがき指導も予防処置も受けていないかた)は、60代、70代で急激に歯を失って、一気にお口の老化が進行しています。
上のグラフも見てみましょう。なんでも噛んで食べられる人は、70歳以上では6割ほど。つまり、歯が残っている、あるいは入れ歯などを使ってよく噛めるというかたが6割なのに対し、4割のかたが噛む能力に問題を抱えていることがわかります。みなさんは、将来どちら側に入りそうでしょうか?
噛む能力は栄養摂取に大きな影響を与え、高齢者のからだの衰えの一因として、「噛めないことによる栄養不足」が重大視されています。噛めない人の場合、いったいどんな栄養が不足がちになるのか、またの機会にお話ししましょう。
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個別ページへ|Posted 2019.7.27|