歯の豆知識

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フッ素塗布って

むし歯予防のためのフッ化物としては、フッ化ナトリウムがよく使われますが、フッ化ナトリウムは水に溶けるとイオン化してフッ化物イオン(フッ素がマイナスイオンになっている状態)となります。当然、唾液中でもフッ化物イオンとして存在します。エナメル質にフッ化物イオンを作用させると、フルオロアパタイトという酸に溶けにくい性質の安定した結晶に変化し、エナメル質が強化されます。そして、歯質の強化だけでなく抗菌作用もあるため、細菌による酸の産生を低下させることで、むし歯の予防効果が得られます。
フッ化物は、フッ化物配合歯磨剤、フッ化物洗口、フッ化物歯面塗布という形で用いますが、フッ化物の効果を最大限に発揮するには、低濃度のフッ化物を持続的に用いることです。つまり、自宅でのフッ化物配合歯磨剤の使用やフッ化物洗口が大切になります。
歯磨剤に入れてよいフッ化物濃度の上限は決まっているため、毎日使用しても安全です。ただし、うがいのできない乳幼児に対しては、「から磨き」をした後で、少量のフッ化物(ムースやジェルタイプ)を歯ブラシにつけて歯面に塗る「ダブルブラッシング法」が推奨されます。また、フッ化物洗口は、うがいのできる4歳頃から開始し、15歳頃まで継続することが大切です。
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住所:〒470-0126 愛知県日進市赤池町屋下351-1
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個別ページへ|Posted 2017.11.17|

シーラント

乳歯も永久歯も、奥歯にはくぼみや溝があります。特に、生えたばかりの歯は、上下の歯が咬み合わないため咬耗(歯のすり減り)がなく、くぼみや溝を封鎖し、むし歯の発生を予防することを目的に開発されたのが、シーラントです。
シーラントを行う時期は、いつでもよいというわけではありません。特に効果が高いのは、歯が生えてから咬み合うまでの時期で、かつ歯みがきによる清掃が難しい歯にシーラントを行うことです。乳歯と永久歯のどちらにもシーラントは適していますが、乳歯では咬み合う面の溝が永久歯に比べて浅いため、永久歯ほどシーラントの保持率は高くありません。それに対して、永久歯は長期にわたり保持率の高いことが報告されています。
シーラントの具体的な方法は、歯の表面を酸で一時的に処理し、シーラントの接着効果を高めた上でシーラントを溝に填入します。以前のシーラントに比べてフッ化物の含有量や、その他のイオンなどが多く含まれ、単にくぼみや溝をふさぐという物理的な目的だけでなく、積極的な歯質の強化がはかれるようになりました。
歯みがき習慣やフッ化物洗口との併用により、さらに効果は高まります。特に、6歳臼歯は永久歯の中でもむし歯になりやすいため、シーラントを行うことは大変有効です。
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個別ページへ|Posted 2017.11.12|

気になるあのにおい

口臭は、自分では気づかないものですよね。自分の匂いは自分が常に嗅いでいるので、慣れてしまうんです。終始気になっていてはつらくて仕方ないので、慣れることにより自分を守っているのです。
実は口臭は多かれ少なかれ誰にでもあります。自分で気づくことは少ないですが、健康な人にも軽い口臭があり、これを私たちは「生理的口臭」と呼んでいます。例えば、朝起きたときは誰でも軽く口が臭いますが、これは寝ている間はお口の中の唾液が減って細菌が増えやすいからで、こういう口臭は朝食を食べたりすれば人の鼻では感じないレベルに下がるので、ほとんど問題になりません。
また、ニンニクやお酒を飲食すると臭いますよね。飲食物の成分が吸収され肺に届いて呼気から臭うのですが、これは一時的なものですし、美味しく飲食したのなら、少々臭うのは仕方ないことでしょう。
こうした生理的・一時的な口臭がある一方、問題となるのは病的な口臭です。健康な人の口臭に比べ、ずっと攻撃的で不快感の強い臭いがします。それでは、この病的な口臭は、一体どこから来るのでしょう?
「胃腸が悪いと口臭が強くなる」とよく言われますが、これは、臭いが胃から口に上がって来ると思われているからかもしれません。実際は、胃の入口は強い筋肉でギュッと閉まっているので、(ゲップは別として)臭いが上がって来ることはまずありません。からだの病気で口臭がするなら、それは臭いの物質が体内を巡り肺から呼気として臭っているわけで、普通に考えて、これはよほど重篤な状態です。からだの治療が優先で、口臭どころではないでしょう。
病的な口臭で圧倒的に多いのは、実は歯周病が原因の口臭なんです。つまりほとんどの口臭は、歯科治療とセルフケアで治せるということです。「しばらく歯石を取っていない」「近頃歯ぐきが浮く感じがする」なんてことはありませんか?ぜひ歯科医院で口臭を「治療」しましょう。
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個別ページへ|Posted 2017.11.3|

ミュータンス連鎖球菌

乳歯が生え始めてから、1歳前後でミュータンス連鎖球菌が定着を始め、乳歯の数が増えるのに伴い検出率も増加します。特に、乳歯の奥歯が生え始める1歳4ヶ月を過ぎる頃には検出率が急増します。19ヶ月(1歳7ヶ月)から31ヶ月(2歳7ヶ月)の時期は、まるで窓を開け放ったかのようにむし歯菌に観戦しやすいことから、「感染の窓」と言われています。
3歳児の約60%にミュータンス連鎖球菌の定着がみられますが、この時期に定着しやすい理由として、
① 乳歯の萌出数が増えることで菌の付着する面積が増加すること
② 複雑な形の小窩裂溝を持つ乳臼歯が生えるため菌が定着しやすくなること
③ 離乳食から普通食への移行によって、不溶性グルカン(歯の表面につくられるネバネバ物質)を生成するための糖分が供給されやすくなること
④ 低年齢児の口の中の常在菌の種類が成人に比べて少ないこと
などが挙げられます。
すなわち、ミュータンス連鎖球菌の感染と歯の発育や口腔機能の発達とは深く関わっています。ここで注意したいのは、口の中に常在するミュータンス連鎖球菌の量が重要だということです。検出されても、量的に少なければ問題にはなりませんが、量的に多い場合は、当然むし歯ができやすくなります。ミュータンス連鎖球菌は、保護者からの感染により子どもの口の中に定着するため、量的な問題を解決するには、保育者自身の口腔環境に注意を払うことが必要です。
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個別ページへ|Posted 2017.10.27|

バイオフィルム

むし歯は、主にミュータンスレンサ球菌による感染症と言えます。そして、ミュータンスレンサ球菌がたくさん口の中にいると、食べ物のなかに含まれている糖分を栄養源に酸をつくり出し、その結果、硬い組織であるエナメル質が溶けてしまいます。
歯の表面に付着した歯垢(デンタルプラーク)は、単なる食べかすではありません。歯垢は、むし歯の原因菌が糖分をもとにつくり出すネバネバ物質であり、細菌の集まりです。この段階であれば歯ブラシによって取り除くことができますが、時間の経過とともに、歯垢はバイオフィルムへと変わっていきます。バイオフィルムとは、さまざまな細菌がすみつき、1つの都市を形成するかのように、巧みに細菌同士がネットワークをつくり上げた細菌の集合体です。
バイオフィルムは、抗菌薬やフッ化物などのむし歯予防に関連した薬をはねのけてしまうほどの強力なものです。バイオフィルムで覆われた歯の表面は、糖分を栄養源にしてつくり出された強い酸で溶け出してしまいます。さらに、バイオフィルムは歯ブラシだけで取り除くことはできません。歯磨剤に含まれる研磨剤がバイオフィルムの除去に効果があると言われていますが、低年齢児では歯磨剤を用いない「から磨き」が推奨されています。小児では、まず歯みがき習慣づくりが大切であり、みがき残しをつくらないためには保護者による仕上げみがきが重要になります。そして、歯垢の段階でしっかり取り除くことができれば、バイオフィルムの形成には至りません。
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個別ページへ|Posted 2017.10.20|

歯周病って?

歯周病の原因は、口の中に棲む歯周病菌。歯周病菌や歯周病菌の出す毒素が引き起こす炎症によって歯ぐきが腫れ、歯を支えるセメント質、歯槽骨や歯根膜が破壊されて、ついには支えを失った歯が抜けてしまうという怖い病気です。
歯周病菌はお口のなかの常在菌で、先住者として外から入ってくる他所者の菌を寄せ付けないような役割も果たしつつ、ふだんは人間と共生しています。ところが、みがき残しなどのために細菌のかたまりであるプラークがお口に溜まって成熟すると、歯周病菌はパワーアップし、共生のバランスが崩れて炎症を引き起こし、歯を支える歯周組織を破壊してしまうのです。また、いったん破壊されてしまうと回復させるのが難しい点でも、大変やっかいです。
歯周病の進行を止めるには、歯周病菌を減らして炎症をなくすのが一番。細菌の塊であるプラークを歯面や歯周ポケットの中から徹底的に取り除きます。歯面の掃除なら、歯みがき、PMTC、スケーリングで。また、歯周ポケットの奥の掃除ならルートプレーニングやデブライドメントで。歯周病の進行度にあった除去法が選択され、用いられています。
もちろん歯周病の進行具合によって治療方法が違うのはもちろんですが、人それぞれによって生活環境や食生活など同じものはありませんのでと治療方針も違ってきます。まずは歯科医院にてお口の中の状態を確認させてもらうことが一番です。何か心当たりや、不安に思うことがあれば早めの来院をオススメします。
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個別ページへ|Posted 2017.10.13|

6歳臼歯

第一大臼歯は、6歳頃に生えることから「6歳臼歯」とも呼ばれていますが、発育の早い子供は、5歳頃に生える場合もあります。歯の種がつくられるのは、お母さんのお腹の中で、歯の形が作られ始めるのは出生時です。生後3年で歯冠が完成し、6歳頃生えてきます。永久歯の中では最も短く、3年でつくられます。そして、6歳臼歯は、他の永久歯に比べて著しくむし歯になりやすいという特徴があります。
その理由として、歯が生え始めてから咬み合うまでに要する時間が、他の永久歯に比べて非常に長いこと、歯が生え始めても歯肉の一部が覆いかぶさっている時間が長いこと、そして、乳歯の奥に生えるので保護者が気づきにくいことなどが挙げられます。咀嚼による自浄作用が働きにくく、歯みがきによる清掃が不十分になるため、むし歯になりやすいのです。とくに、歯が生え始めてから2〜3年間が最もむし歯になりやすい時期と言えます。そのため、保護者による仕上げみがきは、8歳頃まではつづけていただきたいものです。
また、永久歯である6歳臼歯は、咬み合わせにも大変重要で、咬合の要と言われるように、歯並びや咬み合わせの要所となります。
ぜひ第一大臼歯をむし歯から守りましょう。不思議なことに、6歳臼歯の奥に生える第二大臼歯が生えた後も、咀嚼機能の中心は第一大臼歯が担います。そのため、第一大臼歯をむし歯や歯周疾患によって喪失すると、「食べる」という機能にとって大きなマイナスとなります。
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個別ページへ|Posted 2017.10.7|

詰め物が外れちゃった

治療して1年、2年ほど経って詰め物が外れてしまった、という経験がおありの方もいると思います。
今日はそのことについてまとめました。
詰め物を入れてすぐに外れたというのなら、治療自体に問題があったと考えられます。しかし数年間もったというのなら、患者さんのお口の中に、外れてしまった要因が潜んでいる可能性があります。
治療が終わってからそれまで、詰め物はただお口の中でじっと静かにしていたのではありません。食べ物を噛み砕いたり、すりつぶしたりするときや、食いしばって力を入れるときに使われていたはずです。当たり前のように考えられがちですが、実はお口の中は相当過酷な環境なのです。
詰め物の寿命についてはいくつか優れた臨床報告がありますが、寿命を減らす要因として「むし歯のリスク」と「噛み癖」(食いしばり)が挙げられます。
詰め物自体はむし歯にならないものの、詰め物の周りは虫歯になりやすい部分です。「むし歯のリスク」を下げるには、ご想像の通り、規則正しい歯みがきが効果的です。
みがくときには歯を強くするフッ素入りの歯みがき剤を使いましょう。
ちなみに、最近ではむし歯予防に唾液が重要であることもわかっています。高齢者は加齢により唾液が出にくくなるほか、血圧を下げる薬などの副作用により、唾液量が低下することもあります。口腔乾燥症(ドライマウス)はむし歯のリスクを高めますので、歯科医院で定期的にクリーニングしてもらいましょう。
もうひとつの要因である「噛み癖」については、患者さんがご自身で気づくのはなかなか難しいものです。就寝中の歯ぎしりのように、習慣的な歯の食いしばりは、歯と詰め物にかなりの負担をかけています。自動車のタイヤがすり減ったり、車体やエンジンが故障したりするのと同じように、過度なストレスがかかると歯にもさまざまなトラブルが生じます。詰め物が外れるのはそのひとつの表れです。
食いしばりの習癖のある患者さんは、歯の表面がすり減っています。これは専門家には一目瞭然で、噛み合わせが原因で詰め物が繰り返し外れる患者さんには、マウスピースを装着して歯を保護してもらう方法もあります。
なお、詰め物や被せ物が外れた場合は、放っておくのは良くありません。外れた部分に食べ物が挟まって細菌が繁殖し、お口の中全体が不潔になり、むし歯や歯周病の原因となります。また、力のかかり方が変わるため、他の歯に負担がかかり歯がかけやすくなるなど、より深刻な事態につながることもあります。
詰め物の外れた側をかばって、反対側で噛んで食事をするのも、噛み合わせに影響するので良くありません。ひとつの詰め物が取れたら、他の詰め物も取れてしまう、「負のドミノ現象」を起こすこともあります。
いずれにしても、かかりつけの歯医者さんをもって、定期的な口腔ケアをしてもらうことが、歯のトラブルを最小限にとどめて一生涯自分の歯で健康に過ごす秘訣となります。
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個別ページへ|Posted 2017.9.29|

永久歯のむし歯

永久歯は、乳歯ほど明確ではありませんが、年齢に応じてむし歯のできやすい部位があります。6〜7歳は上下の第一大臼歯(6歳臼歯)の噛み合う面、8〜9歳は上顎切歯隣接面、10歳以降は上下の第二大臼歯(12歳臼歯)の咬み合う面です。生えたばかりの永久歯(幼若永久歯)ほど、むし歯になりやすいという特徴があります。その理由として、歯質が未熟なため酸に対する抵抗力が低いこと、咬み合う面の溝が十分に石灰化していないことがあげられます。
幼若永久歯のなかでも、とくに、むし歯になりやすいのは、下の第一大臼歯です。その理由として、上記の2点に加え、歯が完全に咬み合うまでの時間が、上の第一大臼歯(約6ヶ月)に比べて下の第一大臼歯(約10ヶ月)の方が長いため、そのあいだは自浄作用が起こりにくいことや、歯冠の一部が歯肉に覆われている期間が長く不潔域になりやすいため、歯みがきがむずかしいことが挙げられます。
3〜4歳の乳歯のむし歯と11〜13歳の永久歯のむし歯の関係を、経年的に調査した研究によると、乳歯むし歯と永久歯むし歯とのあいだに強い関係がみられることがわかりました。乳歯にむし歯があると、永久歯がむし歯になる可能性は、乳歯にむし歯がない子どもに比べて2倍強高いことが報告されています。永久歯をむし歯から守るためには、乳歯のときからむし歯にしないことが大切です。
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個別ページへ|Posted 2017.9.22|

こどもの歯ぎしり

歯ぎしりとは、寝ている時などに歯を強くこすり合わせ、ぎりぎりと音をたてることを言います。なかには音を立てない食いしばりタイプもあり、子供の歯ぎしりは決して少なくありません。とくに、子どもでは、咀嚼筋のなかでも咬筋の発達が優位であるため、ぎりぎりという音が大きくなりやすいとも考えられていますが、不明な点も多いようです。歯ぎしりのおもな原因は、精神的なストレスといわれていますが、子どもでは歯列・咬合の発育段階における生理的な現象とも捉えられています。
5歳前後になると、しつけの一環として頻繁に注意されることが多くなり、子どもの気持ちがみたされない場合が多くなるため、口の癖と同様、歯ぎしりも蓄積したストレスの発散としてみられることがあります。2歳前後でも歯ぎしりがみられることがあり、年齢的にも心配するお母さんは少なくはありませんが、この時期の歯ぎしりは、咬み合わせをつくっていく過程の生理的現象で、心配はいりません。
永久歯が生え始める6歳以降は、永久歯と乳歯が混在する時期にあたります。やはり、咬み合わせが不安定になりやすいため、歯ぎしりがみられることがあります。あごがだるい、口が開きにくい、耳が痛い、歯の噛む面がすり減っているなどの症状がみられるときは、歯科医院で相談することをお勧めします。
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